映画を観て、想うこと。

『遠い空の向こうに』を観て。

遠い空の向こうに October Sky, 1999
監督ジョー・ジョンストン(Joe Johnston)

 

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“I stood there and watched it streak across the sky. And anywhere in the world, someone could look up and see exactly what I saw. For once, it felt like Coalwood was part of the outside world.”
(「僕はそれが空を駆け抜けるのをただただ立ち尽くして見ていたんだ。世界のどこかで僕と全く同じ光景を見ていた人がいたかもしれない。一瞬、僕はこのコールウッドという町が世界との接点を持てたように感じたんだ。」)

 

10月の夜空を横切った人類史上初の人工衛星スプートニクを見た少年ホーマー(ジェイク・ギレンホール)。彼はそれ以来、寝ても覚めてもロケットのことしか考えられなくなってしまう。「自分もいつか、ロケットを打ち上げたい」、炭坑業で栄えるアメリカの田舎町を舞台に、協力してくれる友人、応援してくれる先生、反対する父親、様々な人間関係の中でホーマーはひたむきに夢を追い続ける。

 

“Sometimes you really can’t listen to what anybody else says. You just gotta listen inside.”
(「他人が言うことに従ってはならない時もあるの。自分の内なる声に従わなければならない時が。」)

 

NASAの技術者であるホーマー・ヒッカムの自伝を元に制作された本作。彼は少年時代からの「強い意志」を貫き、夢を実現させたんだなあ。ホーマー自身もそうだが、教え子たちを炭坑で体を壊しながら生涯を終えていく運命から救いたいライリー先生の「強い意志」、炭坑マンとして自らの後を継いで欲しいと切望するホーマーの父親の「強い意志」。譲れない想いを持った不器用な彼らの姿には、どこか魅力がある。

 

“I mean, sure, Dr. von Braun’s a great scientist, but he isn’t my hero.”
「そりゃ、ブラウン博士は素晴らしい科学者だよ、でも僕にとっての英雄は彼じゃない。」)

 

これは少年が夢を追う物語であると同時に、父親の物語でもある。父と息子のすれ違いはいつの時代にも存在する。「お父さんの辿ってきた道を進めば間違いないから」、「悪いことは言わないから、お父さんの言う通りにしなさい」、こんなことを父になれば感じるのだろうか。1957年、人々にとってまだまだ宇宙が未知の世界であった当時、息子が将来の夢を「ロケット作り」と語りだしたら、父親が不安になるのも無理ないかもしれない。現代で言うYouTuberだろうか。・・・「やめておきなさい」と言ってしまうかもしれない。

 

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さて、次は何観ようかな。