映画を観て、想うこと。

『天使のくれた時間』を観て。

天使のくれた時間 The Family Man, 2000
監督ブレット・ラトナー(Brett Ratner)

 

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“The plan doesn’t make us great, Jack. What we have together, that’s what makes us great.”
「計画じゃないのよ、ジャック。2人が一緒にいて、初めて幸せになれるのよ。」

 

ジャック・キャンベル(ニコラス・ケイジ)は恋人のケイト(ティア・レオーニ)に引き留められるのを押し切り、ロンドンでのインターンシップに参加する。恋人よりもキャリアを選んだ彼は13年後、ニューヨーク・ウォール街で金融会社の社長として大成功を収めていた。独身だが何不自由ない生活を送る彼は、あるクリスマスイブの夜、不思議な出来事に遭遇し、高層マンションの自宅に帰り眠りにつく。翌朝、彼は13年前に別れたはずのケイトと2人の子供に起こされクリスマスの朝を迎えるのだった。

 

“How can you do that?”
「どうしちゃったの?」

“What?”
「何が?」

“Look at me like you haven’t seen me every day for the last 13 years.”
「まるで13年ぶりに会ったみたいな目をして。」

 

皆さんにとって「幸せ」とは何だろう?好きなものを買った時だったり、おいしい物を食べた時だったり、仕事で褒められた時だったり、好きな人と過ごす週末だったり、よく寝た次の日の休日の朝だったり、上着のポケットから千円札が出てきた時だったり。この問いに対する答えはきっと十人十色だろう。中には、そもそもそんなこと考えない方が幸せだとさえ思っている人もいるかもしれない。それだとつまらないので、幸せについてちょっと考えてみたい。

 

恋人をフッて仕事をとったジャックに突如訪れた「もしあの時、恋人を選んでいたら」という奇跡のような時間、本作でジャックは2種類の幸せを体感するチャンスを得る。「お金」がもたらす幸せと「家庭」がもたらす幸せだ。本作を観て感じたのは、「幸せ」は運命や奇跡といった神秘的でコントロールできないようなものに委ねられているのではなく、我々個人の「選択」と「決断」に委ねられているのだということ。我々は自らの幸せをかけて、日々「選択」と「決断」をしている。そう考えると、大切な人を選んだとしても、お金を選んだとしても、キャリアを選んだとしても、何かロマンがあって前向きになれる。

 

“I choose us.”
「私は一緒にいることを選ぶわ。」

 

今年は多くの人にとって大変な一年になってしまった。いまだ収束が見通せない中で、孤独を感じている人も多いかと思うが、クリスマスくらい、「幸せ」についてじっくり考えてみる時間にできたら素敵なことだと思う。そう考えるとやっぱり、一人で考えるよりも、一緒にいる誰かと考えたい。こんな時だからこそ、大切な人と観たい一作だ。

 

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さて、次は何観ようかな。